Erephant's breath
51〜60

vol.51 喜びを与えよう  
”一人前の美容師になるために技術を磨こう”そのように思い立った26歳の私は、当時の
美容業界の流行に従い、貯金をはたいてロンドンに行きました。2週間ほどの滞在でしたが
現代におけるカット技術の礎を築いた、ヴィダルサスーンのアカデミーで、カット技術を学
びました。午前中にトレーナーからレクチャーを受けた後に、午後からはモデル実習です。
地元の主婦や学生などのモデルからオーダーを受け、希望のヘアスタイルに仕上げます。そ
の一連の流れは、まさに私自身にとってのホームグラウンドであり、英語もままならない私
が、通訳の方を交えながらとはいえ、異国の地で相手の気持ちを察し、安心と喜びを与える
事が出来る唯一のステージでした。水を得た魚のような私は、仕上がりを気に入ってくださ
ったモデルさんが、満面の笑顔で、私の手をとって大喜びしてくれた時”鏡の前でハサミを
持てば、世界中どこに行っても人に優しくすることが出来る。この仕事を選んでよかった。”
そのような思いがふつふつと湧いて来た事を、今でも鮮明に覚えています。この経験は、私
の中で”一人前の美容師になるために”から”喜びを与えるために”へと、専門性を深める
事に対する目的が、変わり始めた瞬間でした。
 
              徳は本なり、財は末なり 大学
 
一人前の美容師になる事で”食べていける生き方”を目指していた当時の私と、現在の私を
比べてみますと、おかげさまで自身の生き甲斐や、人生の目的が、変化している事をはっき
りと感じます。国や世の中を大きく動かすような事には、とても及びませんが、小さくても
キラリと光る、美容室の経営者として、私は周囲の人(家族、スタッフ、お客さま、取引先、
地域)に対して、この美容という専門性を手段として、安心と喜びを与えることで、一隅を
照らしたい。そして、それこそが私に与えられた使命(役割)に違いない。そう思えてなら
ないのです。ありがとうございます。
 
 
 
 
vol.52 徳は思いやり 
 
 
”breath入社志望を決断した理由は?”そのように来年度の新卒内定者である19歳の彼女
に、問いかけると”一緒に働いてみて、雰囲気が良かったから”という答えが返ってきまし
た。この雰囲気に関しては、私が言うと自慢話になってしまいますが、サロンを訪れた皆様
から、おかげさまでとてもたくさん、お褒めの言葉を頂戴します。理由を考えてみますと、
内装のイメージ、店内の清掃なども要因としてありそうですが、最も大きな理由は”スタッ
フ同士の仲がいい”という事に違いないでしょう。このような社風を築くために、私自身が
血の滲むような、努力をした覚えはありませんが、思い当たる事としては、折りに触れてス
タッフにお話をする際には”売り上げを上げなさい”というよりは”徳を身につけましょう”
という事を繰り返し伝えています。なぜなら、私は身近なスタッフ一人一人に、徳を身に
つけて幸せになってもらいたいからです。徳は儒教においては、仁・義・礼・智・信の五徳
として具体的に示されていますが、私が学んでいる素心学では、ひとことで”思いやり”と
しています。また、そのことはむずかしく考えるまでもなく、言い換えれば、イエスの愛、
シャカの慈悲、孔子の仁ということになるでしょう。スタッフ一人一人の徳という、そのも
の自体は目に見えず、実体がないように捉えられがちですが、実は一人一人の表情、語調、
動作に具体的に表われ、その和によって、サロン全体の雰囲気が、形成されているように思
います。
 
 徳とは、相手を思いやること。
 それは、不快さを与えないこと。さらには、安心と喜びを与えること。 池田繁美先生 
 
思いやりって何だろうと考えると”相手の身になって”と、つい答えがちになりますが、そ
れでは少々ぼんやりして、具体的な行動には繋がりにくいように思います。人からされて嫌
な事はしない。人からされて嬉しい事をする。そのような行動を、シンプルに毎日接する、
身近な方々に実践することで、徳を身につけていきたいものです。ありがとうございます。
 
 
 
vol.53 思いやりの矢印
 
 
先日、気の置けない仲間から”breathのスタッフさんは、可愛くて仕方がないですね”という
お言葉を頂きました。詳しく伺ってみると、表面的な容姿に留まらず、内面的な魅力も含めてと
いう内容で、とても嬉しく思いました。実際、少なからずの贔屓目をしっかり差し引いても、ス
タッフ一人一人、それぞれの入社当時と現在とを比べると、輝きがずいぶん増している様子に、
違いはないでしょう。理由を考えてみると、センスを磨き、理論を学び、技術を習得することで、
専門性を身につけてきたこと。もう一つは、人に不快さを与えない、安心と喜びを与える、とい
う”思いやり”を実践することで、人間性を高めてきたこと。以上の二つがあるように思います。
この二つは、兼ね備えることが理想ですが、breathでは特に後者の人間性を高めることを大切に
しています。そしてさらに、この思いやりの方向は、特に家族に向けるように、努力をお願いし
ています。
 
        思いやりを向ける優先順位
                                1、家族 2、職場の人たち 3、お客さま   池田繁美先生
 
仕事でお客様を大切にしようとするあまりに、家族や職場の人をないがしろにするというケース
がありますが、いちばん親しい家族を大切に出来ないようでは、お客様のことも大事に思う事は
出来ないでしょう。それはうわべだけの接客態度で、まごころのこもった応対とはほど遠いはず
です。心にもない言葉を並べても、そばにいる人からはすぐに見抜かれるでしょう。自分のわが
ままを出しやすい、家族に対して取り組む事は、たやすい事ではありませんが、覚悟を持って思
いやりの矢印を家族に向ける事で、確かな思いやりを身につける事が出来たなら、自ずと他の人
たちにもそのように接する事が出来るでしょう。この度、オープニングスタッフが、結婚する事
になりました。職場においては、おかげさまでたくさんの皆様から、慕われる存在ですが、これ
から彼女は、ご主人に対して、この思いやりの矢印を真っ先に向けることで、さらに成長し、き
っと幸せな人生を歩んで行くに違いない。そのように信じています。ありがとうございます。
 
 
 
 vol.54 感性を磨こう
 
 
確かに、職業柄という事もありますが”うちの旦那は、私が美容室に行っても、全く気がつか
ないんですよ”というお話を耳にする機会が多いように思います。奥さんが、美容室で奇麗に
なって、いい気分で帰宅した際に、面と向かって”お帰りなさい”と言っているにも関わらず、
その変化に気付いていないというケースです。顔を合わせていますので、ヘアスタイルは、十
分視界に入っているはずなのに気が付かないという事は、ご主人の”奥様に対する意識が薄い”
と言わざるを得ないでしょう。このように、刺激や情報は五官(眼、耳、鼻、舌、身)を通じ
て絶えず私たちの中に入って来ますが、それらは意識と結びつかなければ、通り過ぎてしまい、
キャッチ出来ないという仕組みになっています。人間の心は、このような刺激や情報をきっか
けとして、思いを生み、結果としてその思いに従って、行動をしますので、目の前のことを、
キャッチ出来ないという事は、なんだか少しもったいないような気がいたします。
 
   感性が豊かだと、よい景色が見えます。意識をまっすぐに向け、目の前のものを
   あるがままにきちんと見ることができるからです。       池田繁美先生
 
とぼしい感性では、たとえどんなにすばらしい風景がひろがっていても、その映像が心のなか
にはいってくる事はないでしょう。しかし恥ずかしながら、私自身も結婚当初は、帰宅した際
に、妻が部屋の模様替えをした事には目もくれず、真っ先に冷蔵庫のビールを取りに行き”な
んでひと言ないのかな”という指摘を、何度も何度も、繰り返し頂戴していました。ヘアスタ
イルの変化をキャッチして”いいね”とか、模様替えをした部屋の雰囲気をキャッチして”変
わったね”という”ひとこと”は、とても短い言葉ですが、最も身近な相手に対して、不快さ
を与えずに、安心と喜びを与えるためには、あたりまえのように、さらっと言える旦那であり
たいものです。ありがとうございます。
 
 
 
 vol.55 思い方を伝えよう
 
 
今、ここに行橋市民であり、双子の小学生の父親であり、美容室breathの経営者であり、テニ
スを楽しむ、厄年の松本喜久という男がいます。この現在の私は、過去に私自身が、どのように
思い、それに従ってどのように行動してきたのか、その積み重ねによって作られていると言える
でしょう。このように人は”思いに従って行動する”という、心のしくみを持っていますので、
将来の自分は”今どのように思うか”によって、決定するということになりそうです。ところで、
業種を問わず経営者が集まり、少々お酒が入ると”スタッフが言うことを聞いてくれない”とい
う話題になることが、多いようです。組織として、進むべきベクトルを共有し、思いを一つに出
来なければ、会社は前に進むことが出来ません。このような悩みを抱えることは、経営者として
はとても頭が痛い問題です。しかしながら日々、営業、集客、管理、教育、財務、経理と、頭の
中がいっぱいで、リーダーとして最も大切な”スタッフの思いを一つにする”という仕事にしっ
かり時間を使う経営者が、私を含めてとても少ないように感じます。
 
  人の”思い”は人生の幸、不幸を左右するといっても過言ではありません。正しく思えば、正し
  い行動を起こし”幸福な人生”となります。しかし正しく思わなければ、まちがった行動に走り、
  不幸な人生をまねくことになるでしょう。 池田繁美先生
 
先日、美容室を6店舗展開されている会社にお邪魔して、お話を伺う機会をいただきました。大
切な時間を頂戴したにも関わらず、丁寧にお話をされる社長さんの立居振舞に、私は経営者とし
ての格の違いを感じざるを得ませんでした。その社長さんは、毎朝一店舗づつ、週に6店舗へ足
を運び、2~3名の幹部社員の方に対して、”考え方”についてお話をされているそうです。その
内容は一冊のテキストとしてキチンとまとめられており、その一部を幹部社員の方から拝見しま
したが、その行間にはたくさんメモが書き込まれていました。そのときの思いつきで話すのでは
なく、考え方をテーマごとに、論理的に伝える姿が目に浮かぶようでした。私も稚拙な文章を書
き続けてもうすぐ5年になりますが、書きっぱなしではいけない。繰り返し丁寧に、行間に思い
を交えながら、思いつきではなく、論理的に、事が起きてからではなく、日常的に”思い方”を
伝えていこう。そのように意を新たにしました。ありがとうございます。
 
 
 vol.56 難有り有難し
 
 
”どんな事があっても行く人なのに、今回はあっさり休んだね。スタッフが成長したから
安心したのかな”と妻は少々驚いた様子でした。とても恥ずかしい事ですが、先日夜釣り
に行った直後に風邪で2日間、仕事を休んでしまいました。最初は、布団の中で咳き込み
ながら”気合いが足りてないのかな”などと考えましたが、大した熱も出てないのに、動
けなくなってしまった事実を認めたとき、これまでの自分の偏った考え方に気がつきまし
た。開業以来、1年目は定休日の月曜日も一人で営業し、5年間一度も欠勤したことがな
かった私は、”38度以下は微熱だからたいした事ない””多少の病気で休むのは、プロ意
識が足りない証拠だ”と言葉にはしませんでしたが、自分自分に対して、そして身近な人
に対してまでも、そのような思いを潜在的に抱くようになっていたのです。またさらには、
これは社会人にとっては絶対に大切な意識なんだ。そう信じて疑いませんでした。
 
 
 
 ”絶対に自分が正しい””これが絶対だ”と主張する人がいますが、それは自分ひとりの過去の経
 験と知識というせまい範囲での”絶対”にしかすぎません。”絶対”という言葉は、うかつには使
 わないほうがよいでしょう。                         池田繁美先生
 
 
 
今回の病気は、私にとって少々こたえた苦難困難でしたが、おかげさまで至らない自身の、
心のクセを知る事が出来ました。ガムシャラに頑張る事は、自分にとっては大変結構なこ
とかもしれませんが、鼻水をあごまで垂らしながら、涙目でカット中に何度も咳き込み、
バックヤードに走り込むコンディションでは、お客様に安心と喜びを与えるどころか、不
快さや心配を与える結果になっていたはずです。これからは、自身の体調は勿論ですが、
身近な人の調子や些細な変化を察知し、リーダーとしての心配りを、しっかりと出来るよ
うにしよう。そのように意を新たにいたしました。ありがとうございます。
 
 
 
 vol.57 息子に学ぼう
 
 
相手の目を見て話すことが苦手な現在6年生の息子に対して、父親として出来る事はなんだろ
うと考えた私は、3年ほど前から毎朝必ず目を見て挨拶をする、という事に取り組み始めまし
た。案外それはすぐに習慣化され、大きな努力を必要とはしませんでした。近くまで歩み寄り、
立ち止まり、目を向けて、”おはようございます”と声をかけます。すると息子は、顔を向けず
に”おはようございます”と元気に返します。そして”顔こっち”と私が言うと、顔を私の方
に向けて”おはようございます”と返します。さらに”目はどこですか”と促すと、しっかり
見開いた目で私の目を見ながら”おはようございます”と返します。そこまで出来ると”よし
よし、よしよし”と犬を可愛がるようなスキンシップをとる。そのような挨拶を3年間毎朝繰
り返してきました。3年経った現在もルーチンに大きな変化はありませんが、最近は1ヶ月に
一度ほどのペースで、最初から目を見て挨拶をする姿が、見られるようになりました。
     
     私たちは、年齢をかさねるにつれ、
     生きていくうえでのアカを心にたくさんつけてしまいます。  池田繁美先生
 
知的障がい児として生まれた息子の知的レベルは現在3歳ほどですが、身長は既に私を追い越
し、もう知的障がい者だなと感じています。おもちゃ売り場で床に寝っ転がって、アンパンマ
ンのおもちゃをねだる大きな息子に対する、周囲の眼差しは、なかなか冷たいもので、常日頃
の妻の苦労に対しては、本当に頭が下がる思いですが、先日私は彼の朝の挨拶に、ハッとさせ
られました。目はあわせていなくても”おはようございます”と言う、その表情は実はいつも
穏やかな笑顔だったのです。”目を見て挨拶が出来るようにしてやろう”という、これまでの私
の偉そうな思惑は3年間の朝の挨拶の際に、その表情にはっきりと現れていたことでしょう。
彼は知識や経験を、たくわえる事が苦手な反面、長い間かけて私の心にびっしりとついた自我
(自分を守ろうとする利己的な思い)や業(過去の経験による思い込み)の意識が薄く、その心
の状態は、生まれたときの真っ白な状態に近いに違いないと思いました。今後は、息子に学び
”笑顔で挨拶”に取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます
 
 
 
 vol.58 責任感
 
 
先日、親しい方から”そういえば、breathのスタッフさんは辞めてないですね”と言われ、振
り返ってみますと、開業してから現在に至るまで、誰一人として、スタッフが辞めていないこ
とに気がつきました。行橋市の土地勘すらない私と家内が、高校を卒業したばかりのオープニ
ングスタッフを迎えて、三名でスタートしたのは五年前です。若い彼女が何の実績も保証もな
い、個人事業主に雇用される当時の状況は、スタッフに対して安心や喜びを与えるには、ほど
遠い環境で、思い返すたびに”本当に申し訳なかった”そのように思えてなりません。そして、
その後は”毎年ひとり”のペースで、いいご縁をいただき、現在は7名で営業しています。私
はこれまでひたすらに”スタッフの優れた人格を提供する事が最大のサービスである”という
思いで、至らない自己を正す事を通じて、人間性(徳)と専門性(美容の技術)の向上をスタ
ッフに促して参りました。経営者としての自身の成長はまだまだですが、おかげさまでbreat
hのスタッフ一人一人が、現在たくさんの皆様から、好かれる存在として、順調に育っている
ことを、大変嬉しく思っています。
 
    1年を考える者は、花を育てるべし。10年を考える者は、木を育てるべし。
    100年を考える者は、人を育てるべし。 「管子」
 
私はこれまで、今年はいくら売り上げるとか、いつまでに店舗展開をするとか、そのような考
えを全く持たずに営業をし続けて、気付けば今の状況になっていました。朝起きてお店に行け
ば、いいスタッフと共に、たくさんのいいお客様をお迎えし、さらには新しい出会いが待って
いる毎日です。しかしながら、この幸せが”自身の能力を発揮した結果”だとは、到底思えな
いのです。思い当たるとすれば、もしかしたら、スタッフに対して”徳(思いやり)を身につ
けて幸せになってもらいたい”という願いは、神様か仏様かお天道様かはわかりませんが、大
きな何かに、支持されているのかもしれない、と感じています。そして私には、それを実現す
る責任があるように思えてならないのです。今年もよろしくお願いします。ありがとうござい
ます。
 
 
 
 vol. 59 機を見るに敏
 
 
”そのヘアスタイルはとてもよく似合っていますね。今までで一番いいんじゃないですか。実
は男前ですね”人生の師と仰ぐ方から、開口一番そのようなお言葉をいただきました。それは
初対面の美容師さんにイメチェンしてもらおうと思い立ち、表参道周辺のサロンに足を運んだ
直後のことでした。意中の人に、ここまで褒められると、とても嬉しい気持ちになりました。
また同時に、これからはこれでいかなきゃ、という気持ちが、素直に湧いてきました。10年
前から私はその方から、人間学を学んでいますが、美容師であるにも関わらず、ヘアスタイル
を褒められたのは、恥ずかしながら、今回が初めてでした。そこで10年前の私はどのような
感じだったのか、自宅で当時の写真を探してみました。アルバムをめくってみるとそこには、
今と変わらぬ、穏やかな笑顔の師と、頬が痩せこけ、あごひげボウボウで、髪をピンピン立て
た私の姿がありました。その自身の姿は、清潔さや爽やかさとはほど遠く、我ながら社会人と
して恥ずかしいなあと、思わざるを得ない印象でした。
 
   怒ることは、悪いこと。怒ることは、未熟の証明。
                   怒ることは、見苦しいこと 池田繁美先生
 
”breathのスタッフだったら、怒りたくもなるかもしれない”私が、そのように思うくらい
なので、もしかしたら当時の師も同様に感じていたかもしれません。しかしこれまでの10年
間、私は身だしなみに関して”もっとこうした方がいいですよ”という事は一度も言われたこ
とが、ありませんでした。相手を正しく導くために、寛容に待ち、変化を敏感に感じて、機を
逃さずに声をかける。そのような配慮に”北風と太陽”の太陽を見た思いです。この場合の、
寛容とは決して、魂を骨抜きにすることでも、信念をすてることでもありません。相手に不快
さを与えずに正しく導くためには、欠かすことができない大切な徳目といえるでしょう。あり
がとうございます。
 
 
vol.60 花には水を
 
 
”ゆうやさん、はるかさん、ご結婚おめでとうございます。ならびにご家族の皆様、本日は本当におめで
とうございます。私は新婦はるかさんの職場、行橋市の美容室ブレス代表の松本と申します。僭越ではご
ざいますが、本日はお二人にお祝いの言葉を述べさせていただきます。はるかさんは平成21年3月1日
に福岡県立青豊高校を卒業されると同時にオープン2日前のブレスに就職されました。そして間もなく3
月3日、私と妻とはるかさんの3名でブレスはスタートしました。この私にとってかけがえのない出会い
は、新婦のお父様、佐野哲也様と私の音楽を通じてのご縁からでした。思い起こせば5年前、はるかさん
にはオープン後、即ばりばり働いてもらわなければということで、学校帰りにシャンプーレッスンに来て
頂いていましたが、その際には本日お集りのお友達がモデルとしてたくさん足を運んでくださいました。
その節は本当にありがとうございました。”いい友達を持った娘だなあ”そのように、当時の私は感心する
と共に大きな安心を頂きました。その後、はるかさんはお母様ゆずりの細やかで明るい心配り、そしてお
父様ゆずりの芸術的なセンスを十分に発揮され、現在では実績においても、私を追い越すような勢いでス
タイリストとして活躍中です。また、私はスタッフにお話をする際、売り上げを上げなさいとは一切言い
ませんが、徳を身につけて幸せになってくださいと、いつもお願いしています。そして今、ご覧のように
キラキラ輝いているはるかさんがゆうやさんのとなりで幸せそうに笑っています。この5年間はるかさん
と誰よりも多くの時間を共にした私にとって、こんなに嬉しい事はありません。そしてお二人にはこれか
らもさらに幸せになっていただかないといけませんので、今日は私が大切にしている言葉をお二人に贈り
たいと思います。

         花には水を、妻には愛を


ちなみに、ここでいう”愛を”とは毎日”愛してるよ”とか、ささやくことではありません。では愛を与
える、ということを分かりやすく、ひとことで言うならどのように言えるでしょうか。この愛とはキリス
ト教でよく言われますが、仏教でいう慈悲、儒教でいう仁と同じではないかな、と感じますので、私の思
う正解は、思いやりです。”花には水を妻には思いやりを”です。もちろん妻を夫にかえても然りです。花
は水を与えなければ枯れてしまいます。しかし花は自分で自分に水を与える事は出来ません。それと同様
に人もまた自分でどれだけ頑張っても、自分で自分を幸せにする事は出来ないのです。論語の中に”徳は
孤ならず必ず隣あり”という言葉があります。徳(思いやり)を持った人は孤立する事はない、必ず協力
者がいるものだと孔子は2500年前に言っています。最後になりますが、お二人が互いに思いやりとい
う水を与え合い、さらには家族に対して、職場の方に対して、社会に対して、この水を注ぎ続ける事で、
周りの人から好かれ、支持され、末永く幸せになりますようここに祈念しまして私からのお
祝いの言葉と
させていただきます。ありがとうございます。(2月16日 結婚式の祝辞原稿より全文)
 
 
 
 

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vol.0〜10
vol.0 ゾウの時間 ネズミの時間
vol.1 トリとエダ
vol.2 丁寧に伝えよう
vol.3 0.2秒の返事
vol.4 穏やかな気配
vol.5 使命感を持とう
vol.6 そのひとこと
vol.7 謙虚に深めよう
vol.8社風をつくろう
vol.9 意中人有り
vol.10 徹底して深めよう
 
vol.11〜20
vol.11 おだやかな月曜日
vol.12 愛語を施そう
vol.13 のびやかでいよう
vol.14 忙中閑あり
vol.15 怒らず導こう
vol.16 知るを楽しもう
vol.17 いいお店をつくろう(1)
vol.18 いいお店をつくろう(2)
vol.19 いいお店をつくろう(3)
vol.20 一隅を照らそう
 
vol.21〜30
vol.21 もっと感謝しよう
vol.22 日常の心がけ
vol.23 日常の心がけ(2)
vol.24 三方よし
vol.25 息長く続けよう
vol.26 愉しい職場
vol.27 立派な社会人
vol.28 いい社風
vol.29 ゆっくり成長しよう
vol.30 原因内にあり
 
vol.31〜40
vol.31 手段と目的
vol.32 移しかえ
vol.33 風韻風格
vol.34 使命感をつかもう
vol.35 時は命なり
vol.36 礼を大切に
vol.37 日々是好日
vol.38 腰骨を立てよう
vol.39 心のあらわれ
vol.40 徳は孤ならず
 
vol.41〜50
vol.41 美しい礼
vol.42 ペンギンのくちばし
vol.43 殻を脱ごう
vol.44 心で聴こう
vol.45 父の教え
vol.46 素直なこころ
vol.47 明るい返事
vol.48 学思行伝
vol.49 理想の美容師像
vol.50 言葉を選ぼう
 
vol.51〜60
vol.51 喜びを与えよう
vol.52 徳は思いやり
vol.53 思いやりの矢印
vol.54 感性を磨こう
vol.55 思い方を伝えよう
vol.56 難有り有難し
vol.57 息子に学ぼう
vol.58 責任感
vol.59 機を見るに敏
vol.60 花には水を
 
vol.61〜70
vol.61 いい会社をつくろう
vol.62 輝く個性
vol.63 土台は人がら
vol.64 自己を忘れる
vol.65 会社の喜び
vol.66 苦中楽あり
vol.67 やわらかく、しなやかに
vol.68 師表徳化
vol.69 積み重ねよう
vol.70 肯定即感謝
 
vol.71〜80
vol.71 生きがいと道楽
vol.72 あこがれの人
vol.73 一切感謝
vol.74 自己を正そう
vol.75 面授口訣
vol.76 地獄と極楽
vol.77 一切肯定
vol.78 唯心所言
vol.79 ゆっくり成長しよう
vol.80 徳に隣あり
 
vol.81〜90
vol.81 遠きをはかる
vol.82 ある日の喜び
vol.83 心の置きどころ
vol.84 ことばを選ぼう
vol.85 そなえよつねに
vol.86 大きく正そう
vol.87 五指長短あり
vol.88 共に歩もう
vol.89 後ろ姿
vol.90 見てもらおう
 
vol.91〜100
vol.91 深山の桜
vol.92 師の教え
vol.93 見守ろう
vol.94 謙虚な心
vol.95 不易流行
vol.96 とっておき
vol.97 支えよう
vol.98 素直に見つめよう
vol.99 積み重ねよう
vol.100 五事を正す
 
vol.101〜110
vol.101 まんまる
vol.102 意識しよう
vol.103 快適な職場
vol.104 自己を忘れる
vol.105 健康を守ろう
vol.106 深めると広がる
vol.107 大切にしよう
vol.108 築き上げよう
vol.109 好かれる美容師
vol.100 五事を正す
 
vol.111〜120
vol.111 宝物を授けよう
vol.112 心の置きどころ
vol.113 言葉を選ぼう
vol.114 人間学を学ぼう
vol.115 人間学を学ぼう(2)
vol.116 人間学を学ぼう(3)
vol.117 人間学を学ぼう(4)
vol.118 人間学を学ぼう(5)
vol.119 師表徳化
vol.120 継続は克己なり
 
vol.121〜130
vol.121 土台を築こう
vol.122 好かれる美容師(2)
vol.123 美容業における不易と流行(2)
vol.124 自己を正そう(2)
vol.125 型を大切にしよう
vol.126 指導の心得
vol.127 築き上げよう(2)
vol.128 良好な人間関係
vol.129 ブレスらしさ
vol.130 和顔愛語の人
 
vol.131〜140
vol.131 長所と短所
vol.132 謙虚な心
vol.133 恩を送る