Erephant's breath
 41〜50

vol.41 美しい礼 
 
 
五月の連休に、宮若市にある脇田温泉のホテル楠水閣さんに、家族で温泉旅行に行
きました。職業柄、年間を通じて家族で出掛ける機会が少ないということもあり、
息子達は大喜びです。興奮して朝の5時から起きてワイワイ騒ぐ始末でしたが、お
かげさまで、とても楽しい時間を味わう事が出来ました。そしてなにより、今回一
番心に残った事は、帰りの際にルームミラー越しに拝見した、経営者である安永様
ご夫妻とスタッフの皆様の”美しい礼”でした。私自身もお客様をお見送りの際に
は礼をしていましたが、私のそれとは全く異なる、深く丁寧な”美しい礼”にハッ
とさせられました。
 
 心のクセは、「表情」「語調」「動作」に表われていますが、それが正されてきま
 すと、各々が柔らかくなり、全体の雰囲気が和らいできます。 池田繁美先生
 
日常の立居振舞には、その人の品性が映し出されています。私は翌日から、感謝の
気持ちが足りない自分自身を恥ずかしく思い、以前より美しい礼を心がけるように
なりました。すると呼び掛けた訳でもないのにスタッフの礼まで、ほんの数日でと
ても美しくなりました。”これは負けられないなあ”と思った矢先、自転車で通りす
がりの年配の男性から”姿勢がいいねえ。あんたの所は美容室かね”と声を掛けら
れました。続いて”普通美容室がそんな礼せんやろ。成功してほしいねえ。俺はあ
んたのとこを応援するよ。いやもう結構儲かっとるやろ”という言葉を頂きました。
そして”はい、おかげさまで。なんとかやってます。ありがとうございます”と元
気に答えた私は、笑顔で頭を下げていました。ありがとうございます。
 
 
 
 
 vol.42 ペンギンのくちばし
 
 
卒業文集制作の時など、好きな言葉を問われたとき、10代の頃から私は決まって
”臨機応変、和気藹々”と答えていました。当時の私がその言葉の深い意味などを
もちろん知る由もなく、今思い返せば”よくそんな事言ってたなあ”と逆に感心し
てしまいます。しかし実はこの”臨機応変な判断と行動”という社風が、ほんのわ
ずかずつですが積み重ねられて、現在のbreathを支える、かけがえのない大きな
柱になっている。その事に不思議な縁を感じています。サロンワークが始まると、
お店の状況は常に変化するうえ、予想外の出来事に加えて、時にはアクシデントも
起こります。そのとき誰が何をするべきかということを、全員が各々の力量を把握
したうえで、自らをキャスティングする。おかげさまで、スタッフのそのような判
断と行動を目にする事が増えたように思います。
 
 ペンギンには歯はありませんが、それでも魚を捕ることができます。なぜでしょうか。
 くちばしのなかの毛が、みんな内側を向いて生えそろっているからだそうです。毛の一
 本一本の力は弱くても、すべての毛が同じ向きになって集まれば力は強くなり、魚はく
 わえられたが最後、もがいても逃れることはできません。 塚越寛(伊那食品工業会長)
 
この”臨機応変”は技術の習得による専門性の向上が不可欠ですが、それは付属的
要素に過ぎないでしょう。本質的には”一人ひとりの心のうちに属する徳”すなわ
ち”思いやり”を身につける事が根本であるように思います。そしてその思いやり
を同じ向きに整える事。それがリーダーに求められる大切な役割かもしれない。そ
のように意を新たにいたしました。ありがとうございます。
 
 
 
 vol.43 殻を脱ごう
 
 
”お仕事は”と問われたら私は”美容師です”と答えます。しかしこの業界に足を
踏み入れた当初の5〜6年は”美容室で働いています”と答えていました。何も出
来ない自分自身をとても美容師とは言えない。それは若き私の”絶対に美容師です
と言えるようになるんだ”という気概の表れだったのかもしれません。ハサミを手
に、お客様を担当できるスタイリストとしてデビューし、たくさんの顧客の皆様か
らご指名を頂く。ここが美容師としての本質的なスタートラインである。私には、
当時からそのような考えがあったようです。今年はおかげさまでオープニングスタ
ッフが、そのスタートラインに立つことになりました。made in breathのスタイ
リスト第一号です。彼女は高校の卒業式翌日に、breathがオープンしてから3年
半、私ような人間として未熟な経営者と共に、breath を育ててくれました。そし
て自らも同時に成長中です。その間モチロン遅刻はゼロ、欠勤は牡蠣にあたってお
腹をこわした2日のみです。さらに現在は、後輩の技術指導まで試行錯誤しながら
責任を持って取り組んでいます。本当に頭が下がる思いです。
 
殻  殻を脱ぐ それはかにもやる とんぼやせみもやる 人間もこれをやらねばならぬ
      木は年輪を持つ 竹は節を持つ 人間もこれをもたねばならぬ 
   生まれたままでは 万物の霊長とは言われぬ 殻を脱ごう 年輪や節を持とう 
      新しい自分をつくるため 新しい世界を開くため  坂村真民
 
将棋の羽生善治名人は”才能とは、努力を継続する力です”と述べたそうです。美
容業においても、過去の努力による貯金を遣い続けるような生き方では、存続は難
しいように思います。何度も何度も繰り返し、いつまでも殻を脱ぐ事を楽しんでい
る。私はそんな姿を示す事で、来年の売り上げのためではなく20年後の幸せのた
めに大切な事が伝わればいいな。そのように思っています。ありがとうございます。
 
 
 
vol.44 心で聴こう
 
 
”さまざまなゲストと、ゆったりとお話が出来る”そんな美容室での私たちの日常
は、あたりまえのようで、実はとても稀な仕事なのかもしれません。そんな日常の
なか、元々口数が多くない私でも、まるでこちらが接客されているかのように、心
地よいリズムに乗せられて話を引き出され、ついついしゃべりすぎてしまう事があ
ります。2ヶ月に一度のカットの度に、そのように接して頂いている私と同い年の
男性がいらっしゃいますが、よくよく伺ってみると、実はその男性は電話を使った
話相手の専門家でした。その使命は、相手の話に耳を傾け、心で聴き、全身で共感
することだそうです。”話し相手の専門家”は、実は”聴く専門家”だったのです。
”きく”には3種類ありますが”聞く”は、音が自然に耳に入ってくるような状態
”訊く”は、相手に質問をして聞きたいことを引き出すこと、そして”聴く”は、
心を落ち着かせて注意して耳を傾けるということです。徳という字と同様に、聴と
いう字の成り立ちには”悳”すなわち”真っ直ぐな心”が使われていることからも
常日頃、人の話を聴く姿勢には、その人の徳(思いやり)がはっきりと表われてい
るのかもしれない。そのように感じました。
 
 ”徳”は”思いやり”のことです。
 ”思いやり”とは、相手に不快さを与えない、安心と喜びを与えることです。
 ”思いやり”を向ける順番は、”自分のわがままを出しやすい相手”から
  ①家族 ②職場の人たち ③お客さま              池田繁美先生
 
身近な家族や職場の人たちを大切にできないようでは、お客さまのことも大事に思
うことはできないでしょう。うわべだけの接客態度は、そばにいる人からはすぐに
見抜かれます。”外面はいいけど、内面が悪い”と身近な人から言われるようではま
だまだでしょう。至らない私自身の聴く姿勢をしっかりと正して、徳を身につけよ
う。そのように気付きを頂きました。ありがとうございます。
 
 
 
 vol.45 父の教え
 
 
20代の頃に上司から”あなたが争いを好まないのは、お父さんの影響かもしれない
ね”という言葉を頂きました。当時思いもよらなかったその一言は、私の”思いかた”
のルーツである業(ごう)を的確に示していたのかもしれません。一身二生の如く、
私の父は50歳までとそれ以降において、一つの身体で二つの人生を送ったと言える
でしょう。坂道を転がり落ちるような50歳までの父は、重度のアルコール依存症で
入退院を繰り返していました。この病気の恐ろしさを簡単に伝える術はありませんが、
身近な家族としては”この世からお酒さえなくなってくれれば”と祈るばかりの壮絶
な毎日でした。国内230万人と言われる疾患者とその家族の幸福を奪うこの病気は、
予後10年の死亡率が30~40%と非常に高い、死に至る疾患です。完全に立ち直
るケースはごく稀で、正直このまま飲み続けて,死んでしまうんだろうなあと思って
いました。しかし50歳を境にして、父はスパッと断酒しました。そこから約20年
間の人生は,闘病生活もありましたが,家族に安心と喜びを与える、平穏な末広がり
の人生を送ったように思います。”なぜお酒を絶つ事ができたのか”その心境を尋ねた
事はありませんが、当時入院中だった父の見舞いに,交際中の家内と訪れた事があり
ます。鉄格子の中の父親の元へ,息子が彼女を連れて行ったわけですが、それが父の
精神科最後の入院でしたので、もしかしたらきっかけの一つだったのかもしれません。
”人生の価値とは、その人が生まれた世界と生まれなかった世界の差”とおっしゃっ
た方がいます。誰もが歴史に名を残すわけではありませんが、父がこの世にいなかっ
たら、私の存在自体がないでしょう。そして一人の人間の生き方は、身近な人の人生
にとても大きな影響を与え、人生をも左右する。父はその事を私に教えてくれました。
      父母も その父母も 我が身なり 我を愛せよ 我を敬せよ    二宮尊徳
平成24年5月29日 享年69歳 激しかった呼吸がやがて穏やかになり、閉じて
いた目を最後に,はっきりと開いた父は,家族に見守られ、静かに病院で息を引き取
りました。ありがとうございます。
 
 
 
vol.46 素直なこころ
 
ワイワイ,楽しげな会話と共に、公休スタッフのフォローを行いながら、breathの開店準備
がスタートします。しばらくすると全員無言で掃除に集中しはじめ、30分後、無心になった
スタッフの、穏やかな”こころ”が、店内に充満するのを毎朝感じています。先日入社間もな
いスタッフが、公休前日の夜、持ち場の掃除をし始めました。”以前の職場で身に付いた、い
い習慣かな”と思い、私は何も言わずに眺めていました。そして数日後、それを見ていた先輩
スタッフが同じように公休前日に掃除をしはじめました。公休の前日に責任を持って自分の持
ち場を掃除する事は、以前勤めていた職場では慣例として行っていましたが、breathではそ
れを意識していませんでしたので、大切な事を思い出させてもらってよかったな、と感じまし
た。そしてそれにも増して、”いいことだな”と感じた事に対して、自己の習慣を改める先輩
スタッフの素直さに感心しました。私達人間は、誰もが、生まれた時から”自我”と”業”と
いう意識を備えてこの世に出てきます。”自我”は自分が中心で、自分を大切にするという働
きです。今回のケースでは、”自分が楽をしよう”とか”面倒だな”という気持ちが強ければ、
先輩スタッフは”そんなことしなくてもいいよ”という指示をしていたかもしれません。これ
を”自我の意識”といいます。また”業”は自分の過去の行為や知識によって、その後のすべ
てを価値判断し、物事を認識しようとする働きです。”今までやってなかったから”とか”ウチ
のやり方はこうだから”という意識が、もし強かったなら、彼女が自らの行動を変える事には
至らなかったでしょう。
         素直な心とは、心に「クセ」がなく真直な状態をいいます。
        人の心は、「自我」と「過去の行為」によって”クセ”がついています。 池田繁美先生
”自我”と”業”の意識が正しくコントロールされた”素直な心”について松下幸之助は、”素
直な心になれば、すべてに対して順応していくことができるから、何でも自分の思いどうりに
することができる”とまで言われています。素直な心にはまだまだ至りませんが、私はこの素
直さを学ぶようになってから、以前に比べて悩む事がずいぶん少なくなり、物事が好転する事
が増えてきたように感じています。今年もこの素直さを大切にする社風を築くために、稚拙な
文章ですが”Erephant's breath"をライフワークとして継続しますので、どうか末永いおつき
合いをお願いいたします。今年も宜しくお願いします。ありがとうございます。
 
 
 vol.47 明るい返事  
職場のドアを開いたらキチンと上着を脱いで、一人一人に歩み寄り”おはようございます”と笑顔
で挨拶をします。breathの朝はこのようにスタートしますが、さまざまな場に足を運んでみると、
歩きながら、相手の顔を見る事もなく”おはようございまあ~す”という、捨て台詞のような挨拶
にお目にかかる事があります。ところで、先日”「は~い」という返事を改めて「はい」という明
るい返事をします”という内容の記事を目にしました。私はその瞬間にドキッとしました。おそら
く、お気づきの方が多くいらっしゃると思いますが、まさに職場において、スタッフに対する私の
返事は、常に「は~い」なのです。私は”明るい返事をしよう”という事を10年以上前から大切
にしてきました。その結果、忙しい時にも”決してイライラしてませんよ、余裕を持って仕事をし
てますよ”ということをアピールをするために「は~い」という上機嫌な返事は必要な事なんだ。
そのように意識して返事をしていたのです。しかしドキッとした気持ちを、改めて深く検証してみ
ると、至らない私自身の特に足りない徳目が、二つ明らかになりました。一つ目は”謙虚”です。
経営者として4年近く、上司がいない環境で毎日を過ごしています。目上の方に対して、さすがに
「は~い」はありませんので、これは相手によってコロコロ態度を変える、という私の大変嫌う所
に繋がっています。この事は下で支えるリーダーとして、スタッフを敬う気持ちが欠ていることに
他なりません。二つ目は誠実です。どんなときでも平常心を保って、落ち着いて判断を行い、行動
する事は大切な事ですが、口先だけの小賢しいやり方は、周囲の方からはすぐに見透かされていた
でしょう。スタッフやお客様に不快さを与えず、安心と喜びを与えるために整えるべきは、上っ面
ではなく、心の奥にあるという事を忘れてしまっては、本末転倒になってしまいます。  
           過ちてあらためざる、これを過ちという  論語
”はい”という明るい返事をします。そのように明言して一ヶ月足らずですが、長い間身に付いた
クセは、思ったより根っこが深いなあと感じています。自分のあやまちに気づいても、それをあら
ためようとしないのが最大のあやまちであり、自己の欠けているところに気づいて、そこを正して
いく。それが”学ぶ”という事です。そのように先人は説いています。このたびは、覚悟を持って
自己を正すことで、素直さを身につけよう。そのように意を新たにいたしました。 ありがとうご
ざいます。    
 
 
 
 vol.48 学思行伝
 
 
”人間は一生のうちに逢うべき人には、必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬おそすぎない
ときに”私は美容という専門性において、師と仰ぐ講師の先生に35歳で出会いました。その先
生の講習会ではカットの原理を体系的に理解するために、年間120体以上のウイッグをカット
して技術を体に植え付ける。そのようなトレーニングを集中して行いました。おかげさまで私は
それまで15年間磨いてきたカット技術のすべてを、根本からフルモデルチェンジすることが出
来たように思います。その出会いは、開業の2年前でしたが、ほんの少しでも遅ければ、出店準
備でそれどころではなかったと思いますので、まさに絶妙なタイミングであったように感じます。
伝統芸能の世界では、幼い頃から“型”を習い、プログラミングされるがごとく表現技術を習得
するそうですが、狂言師の野村萬斎さんは、先日インタビューで、この”型”にはめるというこ
とが、とても大切だと仰っていました。型は大きさも形も今の自分とは異なるが、そこに自分を
ねじ込む事で自分の可能性が広がるとの事でした。それは守破離の守を重んじる姿勢ともいえそ
うです。当時は、この精密で奥深い型に自分をはめるという事に大変苦労しましたが、今こうし
て行橋市にbreathというサロンがある。私はその専門性における最も大きな要素は、間違いな
くこの出会いによるものだと感じています。
 
学びの型
学(がく)基本を学び、仲間と研鑽しあう 思(し)  学んだことを思い返す
行(こう)その学びを生かして行動する  伝(でん) さらに学びを深めるために伝える 池田繁美先生
 
講習会に参加して技術を学ぶ、学んだ事をホームワークで繰り返し復習する、サロンワークで活
用する、そして身近な方にそれを伝える。このサイクルを完成させるためには、私自身がどれだ
け素直に学べるか、ということが問われるでしょう。また”教育とは、教える側の人格を相手に
移しかえることだ”といわれています。今年は技術のみに留まらず、講師の先生の立居振舞や、
表情、語調、動作、人間性に至るまで、すべて余す所無く吸収することで学びの型を深めよう。
そのように意を強くいたしました。ありがとうございます。
 
 
 vol.49 理想の美容師像
 
 
2013年3月3日、breathの5年目がスタートしました。おかげさまで、毎年1名づつスタッ
フが加わり、現在6名で運営しています。これまで企業としての求人活動には、全く取り組んで
いませんでしたので、よくもこんなミラクルな良縁を与えられたなあと感じています。しかし、
これまで同様に各々が成長し続けるためには、サロンとしての適正な成長も、今後同時に必要と
なるでしょう。とするならば、ただ待っているだけの、これまでの姿勢は改める必要がある。そ
のように感じましたので、このたび美容専門学校の新卒者向けの求人パンフレットを作成しまし
た。これを通じて、私は行橋のbreathというサロンを、社会人としてのスタートを目前にした
学生の皆様に、少しでも深く知っていただく、きっかけになればいいなと願っています。以下に
内容を一部ご紹介いたします。
 
breathの目指すサービス、それはスタッフの優れた人格の提供だと考えています。人格とは人間性と専門
性によって形成されていますが、それぞれを深める事で、美容師として自立し、身近な方(家族、スタッフ、
お客様、社会)に対して安心と喜びを与える生き方が出来るようになります。それをひとことで表すと”思
いやりのある人になる”といえるでしょう。”徳は孤ならず、必ず隣あり”と論語にあるように、思いやりの
ある人は、決して孤立せずに、周囲の方から支持されるでしょう。その結果として、物事が成就し、幸せな
生き方が可能になると思います。そして”いい人生とは、いい人と歩む人生”とも言われています。共にい
いお店を作りませんか?いいお店とは、単に経営上の数字がいいお店ではありません。それも勿論必要です
が、breathが目指すいいお店とは、周囲の方から”いいお店ですね”と言われるお店です。いいお店には、
きっと、いいスタッフ、いいお客様があふれていることでしょう。
 
おかげさまで、私のような未熟な経営者が下で支えているにも関わらず、去年より今年、今年よ
り来年と、地道でゆっくりとした歩みですが、breathは確実に目指すお店に近づいている。今
そのように感じることが出来ます。それはスタッフ一人一人が、優れた人格の美容師に近づいて
いるからに他なりません。優れた人格というと一見、具体性のないイメージで捉えがちですが、
その要素は明確に二つ。優れた人間性と優れた専門性を兼ね備えるということです。どちらかだ
けでは不十分でしょう。優れた技術を思いやりを持って提供する。それが私達の目指す理想の美
容師像です。ありがとうございます。
 
 
 
 
 vol.50 言葉を選ぼう
 
 
先日の朝礼で"breathに入る以前と今を比べて、自分自身が一番変わったと思う所は?”と
スタッフに問いかけました。昨年は”丁寧な挨拶をするようになった”が多数でしたが今回
は”一日の中で、ありがとうございますと言う回数が増えた”という声が多かったようです。
”一人一人に歩み寄り、笑顔で挨拶”は、新しいスタッフに対して誰言うとなく伝わる。そ
んな社風が出来つつあるので、今回の応えを大変嬉しく思いました。そしてその要因は、耳
に届く回数が多い事、事ある度に私が伝えている事、の二つにありそうです。”ありがとうご
ざいます”という言葉は私自身も大切にしており、スタッフに対する日常的な会話では勿論
ですが、お客様に対しても、電話予約をお受けする際には”お電話ありがとうございます。
breathでございます。本日のご予約でしょうか?ありがとうございます。担当者のご希望は
ございますか?ありがとうございます。いかがなさるご予定でしょうか?ありがとうござい
ます。ご希望のお時間は何時でしょうか?ありがとうございます。では○時にお待ちしてお
ります。ありがとうございます”と最低6回は口にしています。また、入社間もないスタッ
フは会話の中で”顔が小さくてカワイイわね”と言われれば”いや、そんな事ないですよ”
と、ほぼ応えるのですが、そんな場面を発見した際は”えっホントですか?ありがとうござい
ます”と笑顔で喜んだほうが、嬉しいかも知れないよ。と後から声を掛けるようにしています。
 
言葉には、古くから”言霊(ことだま)”があると言われています。これは言葉自体に人間の禍福を左
右するような不思議な力があるという事です。よい言葉は相手を勇気づけ気持ちを和ませてくれます。
悪い言葉は、相手を気落ちさせ、怒らせてしまいます。一言の力は、偉大なものです。池田繁美先生
 
人は、歳を積み重ねますが、品性も同時に積み重ねて、年相応の品を身にまといたいもので
す。そう願うようになり、以前は思いついたままを、すぐ口にしていた私ですが、今はゆっ
くりと言葉を選んで正しく(内容)優しい(口調)言葉遣いを心掛けるようになりました。
そして”ありがとうございます”という10文字の言葉こそ、この世で最も美しく、品のあ
る言葉だと思えてなりません。この言葉を使う回数が増えたということ。それはきっと一人
一人が、幸福な人生に近づいているに違いない、と喜んでいます。ありがとうございます。
 
 

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□ Reserve / Contact
0930-55-0803
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vol.0〜10
vol.0 ゾウの時間 ネズミの時間
vol.1 トリとエダ
vol.2 丁寧に伝えよう
vol.3 0.2秒の返事
vol.4 穏やかな気配
vol.5 使命感を持とう
vol.6 そのひとこと
vol.7 謙虚に深めよう
vol.8社風をつくろう
vol.9 意中人有り
vol.10 徹底して深めよう
 
vol.11〜20
vol.11 おだやかな月曜日
vol.12 愛語を施そう
vol.13 のびやかでいよう
vol.14 忙中閑あり
vol.15 怒らず導こう
vol.16 知るを楽しもう
vol.17 いいお店をつくろう(1)
vol.18 いいお店をつくろう(2)
vol.19 いいお店をつくろう(3)
vol.20 一隅を照らそう
 
vol.21〜30
vol.21 もっと感謝しよう
vol.22 日常の心がけ
vol.23 日常の心がけ(2)
vol.24 三方よし
vol.25 息長く続けよう
vol.26 愉しい職場
vol.27 立派な社会人
vol.28 いい社風
vol.29 ゆっくり成長しよう
vol.30 原因内にあり
 
vol.31〜40
vol.31 手段と目的
vol.32 移しかえ
vol.33 風韻風格
vol.34 使命感をつかもう
vol.35 時は命なり
vol.36 礼を大切に
vol.37 日々是好日
vol.38 腰骨を立てよう
vol.39 心のあらわれ
vol.40 徳は孤ならず
 
vol.41〜50
vol.41 美しい礼
vol.42 ペンギンのくちばし
vol.43 殻を脱ごう
vol.44 心で聴こう
vol.45 父の教え
vol.46 素直なこころ
vol.47 明るい返事
vol.48 学思行伝
vol.49 理想の美容師像
vol.50 言葉を選ぼう
 
vol.51〜60
vol.51 喜びを与えよう
vol.52 徳は思いやり
vol.53 思いやりの矢印
vol.54 感性を磨こう
vol.55 思い方を伝えよう
vol.56 難有り有難し
vol.57 息子に学ぼう
vol.58 責任感
vol.59 機を見るに敏
vol.60 花には水を
 
vol.61〜70
vol.61 いい会社をつくろう
vol.62 輝く個性
vol.63 土台は人がら
vol.64 自己を忘れる
vol.65 会社の喜び
vol.66 苦中楽あり
vol.67 やわらかく、しなやかに
vol.68 師表徳化
vol.69 積み重ねよう
vol.70 肯定即感謝
 
vol.71〜80
vol.71 生きがいと道楽
vol.72 あこがれの人
vol.73 一切感謝
vol.74 自己を正そう
vol.75 面授口訣
vol.76 地獄と極楽
vol.77 一切肯定
vol.78 唯心所言
vol.79 ゆっくり成長しよう
vol.80 徳に隣あり
 
vol.81〜90
vol.81 遠きをはかる
vol.82 ある日の喜び
vol.83 心の置きどころ
vol.84 ことばを選ぼう
vol.85 そなえよつねに
vol.86 大きく正そう
vol.87 五指長短あり
vol.88 共に歩もう
vol.89 後ろ姿
vol.90 見てもらおう
 
vol.91〜100
vol.91 深山の桜
vol.92 師の教え
vol.93 見守ろう
vol.94 謙虚な心
vol.95 不易流行
vol.96 とっておき
vol.97 支えよう
vol.98 素直に見つめよう
vol.99 積み重ねよう
vol.100 五事を正す
 
vol.101〜110
vol.101 まんまる
vol.102 意識しよう
vol.103 快適な職場
vol.104 自己を忘れる
vol.105 健康を守ろう
vol.106 深めると広がる
vol.107 大切にしよう
vol.108 築き上げよう
vol.109 好かれる美容師
vol.100 五事を正す
 
vol.111〜120
vol.111 宝物を授けよう
vol.112 心の置きどころ
vol.113 言葉を選ぼう
vol.114 人間学を学ぼう
vol.115 人間学を学ぼう(2)
vol.116 人間学を学ぼう(3)
vol.117 人間学を学ぼう(4)
vol.118 人間学を学ぼう(5)
vol.119 師表徳化
vol.120 継続は克己なり
 
vol.121〜130
vol.121 土台を築こう
vol.122 好かれる美容師(2)
vol.123 美容業における不易と流行(2)
vol.124 自己を正そう(2)
vol.125 型を大切にしよう
vol.126 指導の心得
vol.127 築き上げよう(2)
vol.128 良好な人間関係
vol.129 ブレスらしさ
vol.130 和顔愛語の人
 
vol.131〜140
vol.131 長所と短所
vol.132 謙虚な心
vol.133 恩を送る