vol.3 of breath


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vol.3 0.2秒の返事

June 1.2009

”もともと器用だったんですか?”とよく聞かれます。器用でないと美容師になれない。
そのようなイメージをお持ちの方が多いようです。しかしながら美容師の成長に必要な条件
は以外と違うところにあるようです。20歳で美容の世界に飛び込んだ私自身のことですが
シャンプーレッスンの時代から技術の習得には、かなり時間がかかるタイプでした。”自分は
不器用なんだ。人よりたくさん練習しよう。周りに負けたくない。”といつも思っていました
が、覚えが悪い私は、先輩から蹴られながら(愛を込めて)指導を受ける毎日です。今思え
ば恥ずかしい話ですが、当時の私は何も出来ないくせに、伝えて下さったアドバイスに対し
てさえも”イヤ、~だから””イヤ、自分は~だから”が口癖で、出来ない理由ばかりを口に
していました。不器用さにも増して、素直さが欠けていたようです。伝える立場になったこ
ろからようやく”伝える側の人格と同様に習う側の心構えも大切なんだ。そこに成長の違い
が現れる。”そのように感じるようになりました。人の言うことに対しては、”はい、わかり
ました。”と、まずは返事をする。習う立場なら、なおさら四の五の言わず一切肯定でまずは
すべて受け入れる。当時の未熟な私は、自分の愚かさに、少しも気づいていませんでしたが、
”イヤっち言うな”(北九州弁)と辛抱強く繰り返し指導してくれた先輩のおかげで、そのよ
うな素直な姿勢こそ、器用、不器用以前に、技術の習得、人間関係、社会生活、そして身近
な家族に対して、最も大切なことである。そのように思えるようになりました。人は何か言
われた時に返事をするまでに、一般的には2~3秒かかるそうです。その数秒の間に、その
ことが自分にとって損か得かを計算しているようです。

   教育とは、教える者の全人格を相手に移し変えていく行為  池田繁美先生

技術や知識のみを伝えるだけではなく、人間の徳性を伝えられる人間になるために、まずは
自分自身が、誰に対してでも損得なしに0.2秒で返事ができるような心構えを実践いたし
ます。ありがとうございます。 breath 松本喜久